遺留分の計算方法

■遺留分の割合
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分の算定対象となる財産価額の半分(相続人が直系尊属のみの場合は3分の1)が遺留分です(民法1041条1項)。そして、相続人が複数存在する場合は、前述の割合をさらに法定相続分で割った価額が個々の相続人が受ける遺留分です。(同条2項)。
例えば、遺留分の算定対象となる財産を9000万円で、被相続人の子ども3人が相続人である場合は9000×1/2×1/3=1500で1500万円が個々の相続人が受けられる遺留分です。

■遺留分の算定対象となる財産
生前贈与による相続財産の消滅や減少も遺留分制度の保護対象に含まれるため、遺留分の算定は相続開始時までの遺産だけでなく相続開始前の財産変動も加味して計算します。
具体的には、被相続人が相続開始時において有した財産の価額に贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額が遺留分を算定するための財産価額となります。
(相続開始時の財産+贈与した財産-債務=遺留分)
贈与は原則として相続開始前1年間にしたものに限って遺留分の計算に含みます。ただし、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知っていた場合は1年前の日より前の贈与であっても考慮されます。また受贈者が相続人である場合は10年前の贈与まで計算に含めます。
贈与が負担付贈与であった場合は受贈者の負担した額は控除して計算します。

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